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◆ソフトバンク上場、が公開価格割れ その理由とは
2018.12.19 -
こんばんは、株の学校 マナカブ.com講師の中山です。
本日、12月19日 満を持して?かどうか分かりませんが、通信部門のソフトバンク(SB)が上場を果たしました。
売買代金は堂々1位の3840億円、個別銘柄では2位のソフトバンクG(SBG)が953億円。
親子そろってワンツーを飾りました。
今朝もメルマガでソフトバンク上場、かつ資金吸収額が大きいためマーケットインパクトの大きくなる一日とお伝えしていました。
しかし、値動きをみると公開価格1500円に対して、初値が1463円とすでにこの時点で公開価格割れ、さらにザラバ中一度も公開価格を超えることなくジリ下げしていき、引け値では1282円で取引終了となりました。
◆欣喜雀躍のIPO銘柄がなぜに公開価格割れしたのか?
IPOと言えば宝くじみたいなもので、当たればその多くが公開価格を上回り30%、40%の値上がり益は当たり前。
ときには初値が2倍を超えるようなことも起こります。
ましてや今回上場を果たしたのはかの有名なソフトバンクです。
しかしながら本日の値動きは惨憺たるものとなりました。。。
何故ゆえに同社は公開価格を一度も超えることが出来なかったのか。
メディアでは色々と理由が挙げられています。
・地合いが悪かった
・上場手前でバッドニュースが相次いだ(先日の大規模通信障害、ペイペイの不正請求など)
しかし実際はそんなことは長期化する問題ではなく、理由はただ一つ。
スケール感がないというところ、、、この一点だと思います。
スケール出来ないため、上場前のご託宣は「高い配当性向、高い配当」で売り出しを行っていたわけですが、フタを開けてみれば公開価格を割り込み、通期ベースでの配当額で計算すると75円、配当利回りは本日の引け値で計算すると5.8%と普通に考えれば魅力的な水準です。
しかし買いが入らないということはそういうことなのです。
投資(応援)をするということは、「種をまき、水をやり、花を開かせる」ということです。
すでに成熟しきった通信部門のSBにはその成長ストーリーがないわけです。
さらに公開価格を割り込んで初値を付けたことで、セルサイドの営業マンに唆されて買っていた投資家たちが「下馬評と違う!」と損失覚悟で手仕舞いしたことで売りが優勢となったと思われます。
僕にも何人かの知り合いから事前に「ソフトバンクのIPO申し込んだ方が良いか?」と聞かれましたが「僕なら買いません」と断言していました。
同社の証券コードが物語ってますね。
まさに多くのIPOを夢見た人たちは9434【串刺し】となってしまいました。
ただ、本当にド長期で保有するなら話は別です。
今回通信障害などの諸問題がありましたが、安定的な顧客を抱えているストックモデルは魅力的ですし、成長はできなくとも安定性はありますので、配当利回り5%が四半世紀くらい維持できれば投資対象としてみても良いと思います。
現在の株価水準で考えれば今後多少減配されたとしても年間配当が65円程度維持できれば可能です。
そして、コングロ銘柄からの脱却です。
最近MA戦略を踏襲し減損で費用計上し本体が危機になったり、本体空っぽなのにのれんで利益上げているように見せているところなど、色んな意味でやらかしている企業が多いので、コングロからの脱却を選択した親の方(SBG)判断は間違えていないと思います。
これによりセグメント利益がはっきりと分かれて投資家としても決算や有報などが見やすくなります。
これが分からないから投資ができない方もいらっしゃったのではないかと思います。
これが最も分かりやすい業種がなんとか物産やなんとか商事など大手商社が募る「卸売業」です。
卸売業の平均PERは約9倍です。
日経平均PER約12倍と比較しても明らかにバリュエーションがあるようにみえます。
しかし、やっている(投資や取引)ことが多すぎて、投資家からすればこれが非常に見えづらいため常にPERは低水準にあります。
巷間売られている株の書籍で「低PERは買い」とよく書いてありますが、そのウラにはこういった背景がある業種も存在するということを知っておかなければなりません。
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