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◆逆行する米国のコロナ感染者数と死者数
2020.11.25 -
おはようございます。マナカブ.com講師の中山です。
【相場概況】
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 26,165.59 +638.22
TOPIX 1,762.40 +35.01
マザーズ 1,225.21 +26.85
NYダウ 30,046.24 +454.97
ナスダック総合 12,036.78 +156.15
S&P500指数 3,635.41 +57.82きのうの米国市場は3指数揃って続伸となりました。
きのう公表されたドイツの7-9月期のGDP改定値も速報ベースから0.3ポイント
上方修正され、8.5%の伸びとなったことで欧州株が堅調。その勢いを次いで前日のアストラゼネカのワクチン開発報道や、トランプ
大統領が敗北宣言は未だ出していないもののバイデン氏への政権移譲を
進める方針を固めたことなどから、選挙戦に今後波乱がないことへの
安心感などが材料となり、リスクオンの動きが継続し、ダウは節目となる
30000ドルを終値で超えて、史上最高値更新を記録しました。原油価格が1バレル=44ドル台と直近の高値を超えてきたことからエネルギー
のエクソンモービルが買われ、ダウ構成銘柄でも、エネルギー関連のシェブロン
が上昇率トップの5.0%となり、リスクオンから債券が売られ金利が上昇したこと
で金融のJPモルガンやゴールドマン、アメリカン・エクスプレスなども3%
以上の上昇となりました。原油が上昇した背景もワクチン開発により、経済が正常化すれば原油需要が
回復するという期待から買われたようですが、バイデン氏はクリーンエネルギー
政策に力を入れているため、来年1月以降にここにメスを入れてくるようですと、
再び売られる展開にもなってくる可能性があるので、コモディティを取り扱って
いる方はエネルギー政策のヘッドラインには注意をしておいた方が良いかと
思います。これがなければ、個人的にはバーレル60ドル程度の回復はあるとみていますが、
ここはバイデン氏の政策次第というところが強いです。◆逆行する米国のコロナ感染者数と死者数
足元の米国での1日あたりの新規感染者数は10万人超が常態化し、州ごとで
行動規制がかけられたり、メディアでも再ロックダウンの声が上がってきています。仮にも再ロックダウンが実施されるようなことになれば、NYダウは30000ドル
到達したこともあって、一服感から踵を返す展開になると思われます。しかしながら、米国の感染者数と死者数には不思議な逆相関の関係が見えてきています。
(米国のコロナ感染状況)
ご覧のように感染者数は第1波から第3波に至るまで等比級数的に増加していますが、
死者数は逆に波が起こるごとに減少傾向にあります。2波と3波の死者数は足元でほぼ横並びとなっていますが、感染者数から考えれば
致死率は低下していると言えるでしょう。この要因として考えらえるのが
*一度罹患して抗体を持つ人が増えた
*医療体制が整い患者一人当たりの診療が適切に行われるようになったこの2点がメインで考えられることかなと思われます。
FRBを始め米国のコロナに対する要人発言は「感染拡大で景気下振れの恐れ」ですが、
死者数の減少が安定的に見られれば再ロックダウンの可能性は薄まり、仮に
行われたとしてもトレードオフ的に追加の金融・財政緩和が後ろ盾として存在
しているだけにどちらに転んでも最終的には上がるしかないとみています。日経平均株価は先日年末には26500円~27000円をつけるとお伝えしましたが、きのう
の先物のナイトセッションですでに26500円を付けており、ワクチンの緊急使用許可が
来月にも下りれば、ショートカバーを巻き込んでもう一段高する可能性もあると
みています。きのうもお伝えしましたが、怖いくらいマイナス材料が消失してきて、日米株価ともに
高値を更新し、上値を邪魔するしこりもない「真空地帯」に入っているだけに、
この上昇の勢いは留まるところがない状態です。気を付けておかなければならないことは、ワクチンの開発が急ピッチで進められて
いるだけに、副作用などのエビデンスが少ないため、いざ流通となったとしても
副作用報道が勃発するようなことがあれば、一気に流れを変える可能性があるので、
足元の上昇で儲かっている方は、流れが変わったときにロットを積み増していて
調整を迎えたところで利益よりも損失が大きくなったというようなことがないように
注意をしてもらいたいと思います。上がれば必ず下がるのが相場ですので、勝ったときに調子に乗ってロットを積み
増すのではなく、同じロット、または徐々に少なめのロットで攻めるような姿勢に
転換していく方が安全かと思います。※内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではあり
ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、利用者ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。