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◆日本の証券会社でも富裕層顧客にはレバレッジを拡大
2021.03.30 -
おはようございます。株の学校 マナカブ.com講師の中山です。
【相場概況】
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 29,384.52 +207.82
TOPIX 1,993.34 +9.18
マザーズ 1,177.19 -21.39
NYダウ 33,171.37 +98.49
ナスダック総合 13,059.65 -79.08
S&P500指数 3,971.09 -3.45きのうの米国市場は指数まちまちの展開となりました。
ワクチン接種の加速による経済活動の正常化期待からダウは3日続伸、
一方で米長期金利が再び1.7%台に上昇したことでハイテク株などは
冴えない動きでナスダックはマイナスとなりました。長期金利が上昇すると金融セクターが買われやすい動きとなりますが
この日はヘjッジファンドののアルケゴス・キャピタル・マネジメントが
巨額追証の発生により米メディアのバイアコムCBSやディスカバリー、
中国の百度(バイドゥ)などの保有株を投げ売りしたことに絡み、
クレディスイス(CS)や日本では野村HDなどの一部の金融機関にも損失発生
リスクが台頭し、金融株は軟調な展開となりました。◆日本の証券会社でも富裕層顧客にはレバレッジを拡大
これはあまり個人投資家には知られていないことかもしれませんが、
日本の証券会社でも一定程度の資産を委託保証金とする富裕層に
対して信用取引のレバレッジを通常の3.3倍ではなく、5倍や10倍
で取引が出来る仕組みがあります。証券会社にとっては手数料商売のため、たくさんのボリュームで
取引をしてもらった方が儲かりますからね。委託保証金(預入資産)で言うと1億~2億円程度、あとは投資の経験で
あったりその証券会社を開設してからの年数などそれぞれ証券会社に
よって基準はありますが、3倍までの信用取引というのは一般的な話で
その上があると思ってください。今回のヘッジファンドもおそらくCSや野村はレバレッジ規制を
引き上げてリスクを多くとらせるやり方を取っていたのかもしれません。さらにアルケゴスキャピタルのファンドマネージャーであるフアン氏
はそのハイレバレッジアカウントを活かしてかなりリスクテイクした
トレーディングをしていたことでも有名で、今年に入ってからの
ハイテク株の下落により多額の損失を出してマージンコール(追証)
が発生したとされています。顧客がマージンコールを支払えないとなるとそれは丸々証券会社が被害を
被ることになり、きのうの野村HDほどの2兆円をもある時価総額の
企業が新興企業のような一日で▲16%超の下落となりました。これがどこまで波及するのか、野村HDが被害を被ることによって、他の
証券会社や金融機関への影響などがいまはまったく読めない状況です。渦中のバイアコム、ディスカバリーも先週から急落し下げ幅は小さくなって
きていますが、まだ下落は落ち着いていません。当然これだけの急落となれば、他の投資家も損失を被ることになり、それが
大口のファンドだったりすると、悪影響は他の金融機関にも波及していく
ことにつながりかねないリスクを内包しているということです。そのため、これらの個別銘柄の下落が落ち着いたとしてもこの損失を埋める、
またはマージンコールを逃れるために他の株を売却して維持率を高めるような
動きが相場のあちこちで起こっても不思議ではありません。目先は荒い値動きになることを警戒をしておくに越したことはないと思います。
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