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◆米国株堅調だが、今週再び失速も
2021.07.13 -
おはようございます。株の学校 マナカブ.com講師の中山です。
【相場概況】
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 28,569.02 +628.60
TOPIX 1,953.33 +40.95
マザーズ 1,183.67 +15.37
NYダウ 34,996.18 +126.02
ナスダック総合 14,733.24 +31.32
S&P500指数 4,384.63 +15.08きのうの米国市場は、決算発表を控えた金融株中心に買いが入り
3指数そろって上昇し、連日の最高値更新となりました。
ダウは史上初の35000ドル突破です。先週、米国株はデルタ変異種の感染拡大していることから長期金利が一時
1.2%台まで低下したことで、株式市場でもいったん利益確定売りに押される
場面もみられましたが、完全にアク抜けした格好です。きのうもお伝えしたように本日、13日からゴールドマンサックス、JPモルガン
が4-6月期の決算発表が予定されています。バンクオブアメリカを加えた大手3行ではコロナによる貸倒引当金を約10億ドル
積んでいましたが、この必要性がなかったことで組戻しを行い、利益を大幅に
押し上げるであろうとの観測も出ており、決算期待から連日上昇となっていました。一方で、アップルやマイクロソフトなどの大型ハイテク株の一角が軟調な
展開となり、ナスダックの伸びは小幅なものにとどまりました。日本株はきのう内閣府より5月の機械受注統計が公表され、前月比、前年同月比
ともに事前予想を大きく上回ったことが好感され、業種別では機械株が上昇率
トップとなっています。これと似ている指標で日本工作機械工業会が発表する6月の工作機械受注も
当然のごとく好調で、内需、外需ともにコロナショック後、高い受注高を記録
しています。過去に何度かご紹介しているグラフですが、この工作機械受注額と日経平均の
連動性は非常に高く、受注が増えている間は日本株は堅調です。これが減少してくると日経平均株価は上値が重くなってきて、その後下げに転じ
やすくなります。やや個人的に気がかりな点はその内訳で、巷間でも言われているように中国の
国家の締め付けによるものか定かではありませんが、対中の受注が急低下して
きたことです。
これを補うかのように米国の受注が急回復を見せてトータルで均衡を保てて
いる状況ですが、目先もこの動きが出れば、外需受注は頭打ちとなり、米国
への受注が鈍化すれば外需は減少してくることになるでしょう。しばらく気を付けてウォッチしておきたい指標です。
◆米国株堅調だが、今週再び失速も
足元で連日最高値を更新している米国株ですが、今週は14日に6月のCPI
(消費者物価指数)が公表されます。
事前予想では価格変動の大きい食品、エネルギーを除くコアCPIの前年同月比で
4.0%の予想となっており、エネルギーを除いた物価上昇で4%となってくると
再びテーパリングの警戒感も台頭してくる可能性もあります。その後、同日にはパウエルFRB議長の会見もあり、事前のFRBの報告書では
「物価の上昇は一時的からやや継続的になることも」と見通しを少し変えて
きていることからタカ派的な発言が出れば、マーケットが再び調整する可能性
もあるため、警戒しておいた方が良いと思います。きのうは先週末の下げから窓を開けて大幅高となった日本株ですが、節目となる
75日線に早速近づいてきており、この節目で再び上値が抑えられるのか、突破
できるのか正直どちらも考えられます。直近では4回、この75日線で頭を抑えられている展開が続いており、市場参加者の
中にも疑心暗鬼となっている投資家も多いと思います。そのため、75日線にあたる28900円あたりでは利益確定売りも出やすくなると
みています。
しかしながら一方で、疑心暗鬼になっている投資家が多いだけにその心理を巧みに
利用した投機筋の買いが一気に膨らんで力技で押し上げてくる可能性もあるのでは
ともみています。そうなると上値を邪魔するしこりは29500円超までありませんので、空売りのショート
カバーも巻き込んで一気にそこまで上昇してくる可能性もあるとみています。※内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではあり
ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
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